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下町の「The Millenium」の異名を持つ東京のポップバンド・夢見る港が2023年にリリースした11曲入りフルアルバム。
メリー・ホプキンの歌唱で有名なフィラモア・リンカーン作のソフトロックの名曲「Temma Harbour」の日本語タイトルをそのままバンド名に冠したことからもわかるように、60~70年代のソフトロックやフォークロックなどのヴィンテージ・ポップサウンドを志向する彼ら。
バンジョー・マンドリンなどの弦楽器やトロンボーン・フルートなどの管楽器が絶妙に配置されたその心地よいサウンドは、コアな音楽ファンのみならず J-POP 好きをも魅了する普遍的な魅力を放つ。
ヴィンテージ・ポップスへの愛を思わせる(60年代英国ポップバンド・サンダークラップニューマンから取ったタイトル然り)、演奏とアレンジのこだわりへの強さは感じるものの「分かる人にだけ分かれば良い」という傲慢さは微塵もなく、輪郭が明快なメロディーや奇をてらわない言葉選びで作られた楽曲はいずれも耳にスッと滑り込んでくる。
その間口の広さには「万人に聴いてもらいたい」という意思を感じさせる。
親しみやすさと上品さを兼ね備えた全体的な雰囲気は、さながら「NHK連続テレビ小説」のようだ。
ミレニアムやサジタリウス、ゾンビーズなどのソフトロック好きはもちろん、90年代のミスチルやマイラバなど60~70年代のサウンドを J-POP に落とし込んだ小林武史のプロデュース作品が好きな人にも強くオススメしたい。
そのグループ名が表す通り、爽やかな潮の香りが漂う風通しの良い1枚。
1. opening
2. サンダークラップニューマン
3. 一滴
4. 香りと全て
5. summer in the rain
6. ロージー
7. 紅いクチバシ
8. 真冬の病
9. loving lalala
10. tears
11. やあ、おはよう
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